反り腰だと思っていたら、腰は反っていなかった

初回にお身体を見せていただいて、姿勢の写真をお見せすると、
「初めて自分の姿勢をちゃんと見ました」とおっしゃる方がとても多いです。
毎朝鏡は見ていても、横から自分がどう立っているかを眺める機会は、日常のなかにほとんどありません。正面の鏡だけでは、前後のズレは映らないからです。
■自分の姿勢は、自分がいちばん見ていない
姿勢の話になると、多くの方が「猫背だと思います」「たぶん反り腰です」とおっしゃいます。どれもご自身の感覚と、まわりから言われた言葉を手がかりにした自己申告です。
それが外れているという話ではありません。
ただ、当たっているかどうかを確かめる手段を、私たちは普段ほとんど持っていません。
感覚というのは、身体の内側から返ってくる情報です。張っている、詰まっている、といった感じは分かっても、自分の骨がどの位置にあるかまでは教えてくれません。だから写真を撮って、基準線と一緒に眺めるだけで、ずいぶん話が具体的になります。
■「反り腰だと思っていました」の、よくある中身
撮影していてよく出会うのが、反り腰の勘違いです。
お腹まわりが前に出ていて、腰も張る。
だからご自身では反り腰だと思って来られます。
ところが横からの写真に線を引いてみると、腰の骨はそれほど反っておらず、骨盤ごと前に移動しているだけ、というケースが本当によくあります。
見た目のシルエットは似ています。
どちらもお腹が前に出て見えますし、腰も張ります。けれど中で起きていることは別物で、対処の方向も変わってきます。この立ち方は、身体全体が横から見て「くの字」に近い形になります。
念のため付け加えると、この立ち方をしている方が、なまけているわけでは決してありません。むしろ、筋肉をあまり使わずに立っていられる、身体にとっては合理的なやり方です。骨盤を前に預けて、上半身を後ろに引いて釣り合わせてしまえば、支える力をあまり出さずに立ち続けられます。長く立つ場面が多い方ほど、身体が自然とこの立ち方を選んでいることがあります。
■腰が反っていないのに、腰が張るのはなぜか
骨盤が前に出ると、そのままでは前に倒れてしまうので、身体は上半身を後ろに引いて釣り合いを取ります。前に出た分を後ろで打ち消す、という立ち方を、立っているあいだじゅう続けていることになります。
このとき、腰の一部と、脚の前側や後ろ側に負担が集まりやすくなります。張っているのは腰でも、その張りを生んでいるのは立ち方のほうだった、ということが起こります。腰そのものを揉んでも、立ち方が同じであれば、また同じ場所に同じ負担がかかります。
■思い込みのままケアすると、手ごたえが出ない
ここを取り違えたまま、反り腰向けとして紹介されている動きを続けるとどうなるか。あまり反っていない腰を、さらに丸める方向に動かすことになります。
手ごたえが出ないだけならまだしも、張りが強くなったように感じる方もいます。
自己流のケアが合わないとき、やり方が下手だったのではなく、前提のほうがずれていた、ということは珍しくありません。
インターネットにも動画にも、正しい情報はたくさんあります。
ただ、それが自分に当てはまるかどうかは、そこには書いていません。
よく調べて熱心に試してこられた方ほど、たくさんやったうえで手ごたえのない状態にたどり着いてしまうことがあります。足りなかったのは情報の量ではありません。自分がどれに当てはまるのか、という一行だけが抜けていた、という感じです。
■「猫背です」も、中身はさまざまです
同じことは、猫背という言葉でも起こります。
背中の真ん中がしっかり丸くなっている方もいれば、背中はそれほど丸くなく、頭と首だけが前に出ている方もいます。横から撮ると、この違いははっきり見えます。並べてお見せすると、ご自身がどちらなのか、その場で分かります。
どちらも日常では「猫背」と呼ばれますが、負担がかかっている場所は違います。背中を伸ばす練習が合う方もいれば、頭の位置を戻すほうを先にしたい方もいます。同じ言葉で来られた方が、写真を見た瞬間から別々の話になる、ということがよくあります。
■言葉が変わると、やることが変わる
「なんとなく猫背です」から「骨盤が基準線より前に出ていて、そのぶん上半身が後ろに引かれている」に変わると、次にやることが自然に決まってきます。腰を丸めるのか、骨盤の位置を戻す練習をするのか、方向がはっきりします。
RE:POSTでは、写真をお見せしたあとに骨模型を使って説明します。ご自身の身体の中で何が起きているのかを、平らな図で説明されるより、立体で見ていただくほうが腑に落ちる方が多いです。「だからここが張っていたんですね」と、その場で言葉が出てくることがよくあります。
■ご自宅でも、できることはあります
一番早いのは、横から立ち姿を撮ってもらうことです。
壁を背にせず、いつもどおりの立ち方で、真横から一枚。
自分では真っすぐ立っているつもりでも、写真だと印象が違うことがあります。
その写真を見て、耳・肩・骨盤・くるぶしが、だいたい縦に並んでいるかを眺めてみてください。どこかが前や後ろに飛び出していれば、そこが手がかりになります。
とくに骨盤とくるぶしの前後関係は、意識せずに立つと差が出やすいところです。
ただし、これは目安のひとつにすぎません。
骨盤がどちらに傾いているのか、腰がどれくらい反っているのかまでは、見た目の印象だけでは判断できないところがあります。
写真は「気になるところを見つける」ために使って、その先は測って確かめるのがおすすめです。
■まず、見るところから
姿勢の話は、良い悪いを決める場ではありません。ご自身の立ち方の「クセ」を知っておくと、日常の負担のかかり方が分かる、というだけのことです。
それが分かっていれば、ケアの選び方も変わってきます。
RE:POSTの初回90分では、専用アプリで前と横から姿勢を撮影して、基準線とのズレを目で見て確認します。そのうえで、柔軟性・筋力・体のコントロールを含めた4項目を確認し、その方の立ち方の背景を一緒に整理していきます。
初回体験は90分5,000円で、結果のご説明までお付けしています。ご予約はホットペッパービューティーから承っています。一度、ご自身の立ち姿を見てみてください!
