伸ばしても戻るのは、裏にサボり筋がいるから

もも前が張るから、毎晩ストレッチ。

気持ちいいし、その場ではふわっとゆるむ。なのに翌朝には、しっかり元どおり。この繰り返し、心当たりありませんか。伸ばし方が足りないのかな、時間が短いのかな、と回数を増やしてみる。

でも、たぶん問題はそこじゃないんです。

張っている筋肉は、たいてい「働きすぎている」筋肉です。

そして働きすぎているということは、本来その仕事を分担するはずの誰かが、サボっているということでもあります。

よく見かけるのが、もも前の大腿四頭筋と、股関節の前を通って背骨につながる腸腰筋のペア。脚を持ち上げる仕事は本来この二つで分け合うのですが、奥にいる腸腰筋がうまく参加できていないと、もも前が肩代わりして働き続けることになります。
張るのも当然というか、頑張りすぎなんですね。

ここで伸ばすだけの対処をすると、どうなるか。
張っている側をゆるめても、仕事量そのものは減っていないので、身体はまた同じ筋肉に頼ります。伸ばして、戻って、また伸ばして。

ストレッチが悪いのではなく、伸ばすだけで終わっているのが惜しいんです。ゆるめたら、サボっているほうに「そろそろ出番ですよ」と声をかける。

この二つがセットになって、はじめて配分が変わっていきます。

やり方は簡単で、椅子に浅く座って背すじを軽く起こし、片方の膝をゆっくり持ち上げて、5秒キープ。左右3回ずつで十分です。

ポイントは、もも前でぐっと引き上げないこと。脚の付け根の奥、お腹の底のあたりから持ち上がってくる感じを探してみてください。反動をつけず、ゆっくり。

とはいえ、最初はほとんどの方が「どこを使えばいいか分からない」とおっしゃいます。それが普通です。

私も一度で伝わるとは思っていなくて、「もう少し奥から」「肩の力は抜いて」と細かく声をかけていきます。すると、だんだん動きが変わってくるんです。サボっていた筋肉は、失われたのではなく、呼び出し方を忘れられていただけ。今夜は、伸ばしたあとにもうひと手間、膝を5秒だけ持ち上げてみてください。

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