産後のぽっこりお腹を引き締める!理学療法士が教える正しいダイエットと筋トレの始め方

「姿勢を整えたのに、お腹がまだ戻らない」
「体重は減ったのに、下腹だけが気になる…」

これは多くの産後ママが感じる悩みです。
前回の記事では「ぽっこりお腹の原因は骨盤だけではなく、胸郭や姿勢・呼吸にある」ということをお伝えしました。

今回のテーマは、その次のステップ
つまり、筋力と代謝を取り戻すことで「本当にお腹を引き締める」ための考え方と実践法です。


目次

姿勢を整えただけでは「形」は戻りきらない

姿勢や胸郭を整えることは、お腹の形を変えるための土台作りとしてとても大切です。
しかし、それだけでは“外見的な引き締まり”までは十分に戻らないことがあります。

妊娠・出産を経て腹直筋や腹横筋、骨盤底筋の張力は大きく低下し、同時に全身の筋肉量も減少します。
特に腹部筋の静止張力(常に保たれている筋の張り)が低下することで、皮下組織が緩み、体型としてお腹が残って見えやすくなるのです。

つまり、
👉「骨格と姿勢」だけでなく
👉「筋肉そのものの張力と代謝」も回復させる必要がある、ということです。


ぽっこりお腹の“残り”は筋力と代謝の低下が原因

妊娠中は活動量が減るだけでなく、筋肉が引き伸ばされた状態が続きます。
腹直筋離開(妊娠により腹筋が離開する状態)などにより筋肉は適切な長さと張力を失い、産後もそのままになっていることがよくあります。

また、出産によるホルモン変化と筋力低下で基礎代謝も低下し、脂肪の燃焼効率が悪くなります。
結果として、皮下脂肪と筋力低下が相まって、ぽっこりお腹が“残りやすい”状態になるのです。

姿勢の改善だけでは、ここには十分にアプローチできません。
ここから先は「筋力の再教育」と「代謝の回復」が必要です。


ただ痩せるだけではNG|筋力と体型の関係

「とりあえず痩せよう」と食事を減らすだけでは、筋肉量も一緒に落ちてしまいます。
筋肉が減ると代謝もさらに落ち、脂肪が落ちにくくなるという悪循環が起こります。

一時的に体重が減っても、腹直筋の張力が戻らなければ
👉 お腹はへこまず
👉 皮膚や皮下組織はたるみやすく
👉 姿勢も再び崩れやすくなります。

見た目を本当の意味で整えるには、「筋肉を減らさない・取り戻す」ことが鍵です。


産後でも安全に始められる筋トレの考え方

「筋トレ」と聞くと、きつい運動を想像する方も多いかもしれません。
しかし、産後の筋トレはガムシャラに腹筋をすることではありません

▫️ステップ①:呼吸と腹圧のコントロール

まずは胸郭・横隔膜・腹横筋・骨盤底筋の連動を回復させ、体幹を安定させるところからスタートします。トレーニングとしてはドローインというエクササイズが非常におすすめです。

▫️ステップ②:体幹の安定化

呼吸を意識しながら、軽度の体幹トレーニングで筋活動を戻します。いくつか産後にオススメの体幹トレーニングを紹介いたします。

▫️ステップ③:全身運動への拡張

体幹の安定を獲得した上で、股関節・肩甲帯を使う全身運動に進めていきます。このエクササイズは体幹筋、股関節周囲の筋肉をしっかりと鍛えられるエクササイズですので痛みに注意して行ってみてください。このエクササイズは産直後はお勧めしませんので産後2ヶ月以降に自分の体と相談して実施してみてください。

理学療法士が関わる場合、この段階的な負荷設定ができるため、無理なく安全に進められます。


食事制限ではなく「筋肉を残す」ダイエットを

授乳期や体調の変化がある中で、厳しい食事制限はおすすめできません。
大切なのは「減らす」ではなく、「栄養の質とタイミングを整える」ことです。

  • タンパク質:筋肉の回復と維持のためにしっかり摂取
  • 糖質の質:精製糖を控え、エネルギー源として適切に摂取
  • 極端なカロリー制限はNG:代謝が落ち、リバウンドのリスクが高まります

つまり、産後のダイエットは「削る」ではなく「体を機能的に戻す」ための栄養管理が基本です。


自宅でもできる!シンプル筋トレ・ダイエット習慣

「筋トレ」と「栄養管理」は、特別な器具がなくても始められます。

  • 壁スクワット(姿勢と股関節の連動を高める)
  • アームサークル(骨盤・体幹の安定化)↑ステップ2の図で説明したエクササイズ
  • 呼吸トレーニング(腹横筋と骨盤底筋の活性化)↑ステップ1の図で説明したエクササイズ
  • 食事の“我慢”ではなく、“選び方”の見直し

1日5〜10分でも十分に効果は出ます。
継続することで筋肉の張力・代謝・姿勢の維持が自然と高まります。


よくある質問(Q&A)

Q1. 産後いつから筋トレを始めていいですか?

A. 体調や回復具合にもよりますが、無理のない呼吸と体幹エクササイズは産後1〜2ヶ月から始める方も多いです。帝王切開後も状態に応じて調整可能です。しっかりと担当医の先生に相談して許可をもらってから行うと安心してはじめられますのでまずは相談してみましょう。

Q2. 食事制限は必要ですか?

A. 厳しい制限ではなく、「タンパク質の確保と糖質の質」を整えるだけで十分効果が出るケースが多いです。

Q3. 筋トレをすると逆にお腹が出て見えるのはなぜ?

A. 腹圧やフォームが適切でない場合、一時的に腹部が張って見えることがあります。正しい呼吸と体幹の使い方をセットで行うことが大切です。

Q4. 自分だけで続けられるか不安です…

A. はじめは専門家のサポートを受けながらスタートし、慣れてきたら自宅で継続するのがおすすめです。またあからさまなトレーニングをするのではなくバランスボールや座ってできるちょっとでも楽しくかつ子供とでもできる様なトレーニングもあります。


まとめ|“姿勢+筋力+代謝”でぽっこりお腹は本当に変わる

  • 骨盤や姿勢を整えるだけでは、見た目のラインは戻りきらない
  • 筋力と代謝を回復させることで、お腹周りは根本から引き締まる
  • 栄養→ 呼吸 → 体幹 →全身 の流れがもっとも効果的
  • 無理な食事制限や過度な運動ではなく、“正しいステップ”が重要

「ダイエット=我慢」「筋トレ=きつい」というイメージを変えましょう。
自分の体を理解して、正しいステップで進めれば、産後でも理想のラインは取り戻せます

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