整体とピラティスの役割と、両方行うとどうなるのか?

それぞれの違いと、組み合わせる意味を科学的に整理する

「整体とピラティスって何が違うのですか?」
「両方やったほうがいいのでしょうか?」
この質問はとてもよくいただきます。見た目のイメージは似ていますが、実は役割がはっきり違います。どちらが良いかではなく、何を目的に、どう組み合わせるかが重要です。この記事では、難しい言葉はなるべく使わず、誇張せずに、整理してお伝えします。

目次

整体の役割とは何か

整体は「体の位置と動きを整える」ためのアプローチです。
体には本来スムーズに動くはずの関節や筋肉がありますが、姿勢のクセや生活習慣の影響で、関節が動きにくくなったり、左右差が大きくなったり、一部の筋肉に負担が集中したりすることがあります。整体は、こうした状態を整え、体が本来の位置に戻りやすい状態をつくることが目的です。その結果として、動きやすさが増したり、痛みが軽くなったり、姿勢が整いやすくなったりします。

なぜ整体だけでは戻ってしまうことがあるのか

整体で体が整うと、その場では楽になります。ただ、体を支える力が弱いままだと、日常生活の中で元の姿勢や動き方に戻りやすくなります。例えば、姿勢を保つ力が弱い、体を支える筋肉がうまく使えていない、長年の動き方のクセが残っている、といった場合です。こうしたケースでは「整えた状態を維持できない」ことが起こり得ます。つまり整体は、体を整える第一歩として有効でも、維持の仕組みまで一緒に作らないと変化が定着しにくいことがあります。

ピラティスの役割とは何か

ピラティスは「整った体を支える力を育てる」ためのアプローチです。
ピラティスでは、体を安定させるための筋肉を使い、呼吸と動きを合わせ、正しい姿勢で動く練習をしていきます。ここで大切なのは、ただ強く鍛えることではなく「正しく使えるようにする」ことです。言い換えると、ピラティスは体の使い方を学び直す運動です。腰や肩などに負担を集めない動き方を身につけることで、日常生活そのものが楽になりやすくなります。

ピラティスだけでは難しいケースもある理由

体の動きが大きく制限されている状態では、正しい動きそのものが難しい場合があります。例えば、関節が硬い、痛みが強い、左右差が大きい、といった状態です。このような場合、運動を頑張っても無意識に元の動き方に戻ってしまうことがあります。その結果、うまく効かない、逆に負担が増える、といったことが起こり得ます。つまり「土台が整っていない状態での運動は効率が下がる」ことがあります。

整体とピラティスの違いを整理すると

整体は「整えるケア」
ピラティスは「支える力を育てる運動」
整体は主に受けるケアで、ピラティスは自分で動くケアです。役割が違うからこそ、得意な範囲も違います。

両方行うとどうなるのか

整体とピラティスを組み合わせると、次の流れが作れます。
①整体で体を整える
②整った状態でピラティスを行い、支える力や正しい動き方を身につける
③日常生活の中で安定していく
この順序があることで、戻りにくい体づくりにつながります。整体で「整える」だけでも、ピラティスで「動く」だけでも届きにくい部分を、お互いが補う形になります。

科学的に見た「整える+動かす」の合理性

慢性的な痛みや姿勢の問題では、体の状態を整えることと、正しい動きを練習することを組み合わせる考え方が広く用いられています。体の動きが改善すると筋肉は働きやすくなり、正しい動きの練習は再発の予防につながると考えられています。つまり、整えることと動かすことは対立ではなく、補い合う関係です。

どちらか一方だけでは不十分になりやすいケース

特に次のような場合は、組み合わせが効果的になりやすい傾向があります。
・慢性的な腰痛
・姿勢の崩れが強い
・整体後にすぐ戻る
・運動すると痛みが出る
こうしたケースでは、体の状態を整えながら、正しい使い方を学ぶことが重要になります。

両方行う場合の理想的な流れ

1.体の状態を評価する
2.整体で土台を整える
3.ピラティスで支える力と動き方を育てる
4.日常生活で安定させる
この順序が整っているほど、変化は安定しやすくなります。

まとめ|整体とピラティスは役割が違うからこそ意味がある

整体は「整える」
ピラティスは「支える」
どちらが優れているかではなく、どう組み合わせるかが重要です。体は整えるだけでも、動かすだけでも不十分なことがあります。両方を適切な順番で行うことで、安定しやすい体づくりにつながります。焦らず、段階的に取り組むことが最も現実的で安全な方法です。

補足|整えることと動くことを一連の流れで行う意味

ここまでの内容を現実のケアに落とし込むと、「整えた直後に、正しい動きを練習できるかどうか」は意外と大きなポイントになります。整った感覚は時間が経つと薄れやすい一方で、整った直後は体が動きやすく、正しい動き方を覚えやすい状態だからです。そのため、整えるケアと運動を別々の日や別々の場所で行うよりも、一連の流れとして行えると、学びやすさや定着のしやすさが高まると考えられます。

当店では、整体とピラティスを別々のものとして提供するのではなく、一つの流れとして行うメニューをご用意しています。まず姿勢や動きを確認し、必要な範囲で体を整え、その状態で無理のないピラティスを行い、日常生活での使い方まで確認するという段階的な方法です。「整体を受けてもすぐ戻ってしまう」「運動をしても変化を感じにくい」といった経験がある方ほど、この流れが合うことがあります。

もちろん、すべての方に両方が必要というわけではありません。体の状態や目的に応じて選択することが大切です。ただ、もし「根本的に体を整えたい」「戻りにくい状態をつくりたい」と考えているのであれば、整えることと支えることを一緒に考えることは、現実的で安全な選択肢のひとつになります。焦らず段階的に、まずは体の状態を確認するところから始めてみることが、最も確実な第一歩です。

参考文献

Cleland JA et al. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy, 2009
Wells C et al. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy, 2014
Yamato TP et al. British Journal of Sports Medicine, 2015
Hodges PW, Richardson CA. Spine, 1996

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