産後の体型と姿勢をしっかり改善|理学療法士が教える整体と運動アプローチ

「体重は戻ったのに、体型が戻らない」
「産後から猫背や反り腰が気になる」
そんな悩みを抱えていませんか?

実は、産後の体型の崩れと姿勢の変化は深く関係しています。
骨盤の歪みや筋肉のアンバランス、ホルモンの影響など、さまざまな要素が“見た目の変化”を引き起こしています。

この記事では、理学療法士の視点から、整体と運動を組み合わせて体型と姿勢を根本から整える方法を、詳しく解説します。


目次

「体重は戻ったのに、体型が戻らない」その理由とは?

出産後、体重は落ちても「お腹がへこまない」「お尻が下がった」「太ももが張る」と感じる人は多いものです。
実際、ある国内調査(日本助産学会誌, 2020)では、産後6か月を経過しても約7割の女性が体型の戻りに不満を感じていると報告されています。

これは単に脂肪の問題ではなく、
👉 姿勢の崩れと筋肉の張力低下 が関係していることが分かっています。

つまり「体重を戻す」ではなく、「体のバランスを戻す」ことが本質なのです。


姿勢の崩れが産後体型を変えるメカニズム

妊娠・出産により、骨盤・胸郭・背骨のラインは大きく変化します。
その変化が、姿勢の歪みと見た目のラインの変化を同時に引き起こします。

では産後は、実際に体の中ではどの様な変化が生じているのでしょうか?
代表的なものとしては以下の4つが挙げられます。


① 骨盤の前傾・開き・非対称

出産により骨盤の底にあるテントの様な筋肉である”骨盤底筋”が緩み、骨盤が前傾・開きやすくなります。
骨盤が前に倒れると、お腹が前方に突き出し、下腹ぽっこりの原因となります。


② 胸郭の広がりと姿勢の丸まり

妊娠中に胸郭が外に広がることで、肋骨の可動性が変化し、呼吸が浅くなります。
その結果、猫背・巻き肩が生じ、上半身のラインが崩れることがあります。


③ 筋力の低下と筋肉の張りの低下

妊娠中は腹直筋や腹横筋が引き伸ばされ、筋肉の静止張力と言われる常に保たれている張りが低下します。
これにより腹部を引き締める力が弱まり、皮膚のたるみや体幹の不安定性につながります。

Kim et al. (J Phys Ther Sci, 2019) は、産後女性の腹直筋厚の減少と姿勢変化の関連を報告しています。


④ 育児動作による姿勢の固定化

授乳・抱っこ・おむつ替えなどの動作は前に曲がる姿勢が多く、猫背姿勢を促します。
「姿勢のくずれ」→「筋肉バランスの偏り」→「体型変化」という悪循環が生まれるのです。


骨盤の歪みと姿勢・体型のつながり

骨盤は、体の中心に位置する“姿勢の土台”です。
そのわずかな傾きやねじれが、上半身・下半身すべてに影響します。


骨盤の状態姿勢の変化体型への影響
前に倒れるそり腰の増加下腹ぽっこり・太もも前張り
後ろに倒れる猫背・ストレートネックバストライン低下・首の疲れ
左右非対称重心のアンバランスくびれの左右差・お尻の形の非対称

姿勢と体型は別の問題ではなく、同じ構造の表裏一体です。
そのため、「姿勢を直す整体」=「体型を整える整体」でもあるのです。


産後整体で体型と姿勢を同時に整える理由

産後の体は、ホルモンの影響により靭帯が緩み、関節や筋肉が不安定な状態にあります。
この時期に行う整体の目的は、骨盤・背骨・胸郭の位置とバランスを整え、筋の再教育を促すことです。

理学療法士による整体では、単なる“骨盤矯正”という言葉ではなく、以下の3つの観点で全身を評価します。

  1. 骨盤と背骨の位置関係の不調はないか
  2. 筋の硬さ・筋力バランス(特にお腹やお尻部分)
  3. 動く時に正しい関節の動きで動けているか

Kim et al. (2019) の研究では、骨盤矯正+体幹安定化運動の併用により、腰椎前弯角度・骨盤傾斜が有意に改善、いわゆる姿勢改善効果が確認されています。

このように整体は“形を整える”だけでなく、“筋肉が正しく働く状態を取り戻す”ことが目的です。


運動療法・ピラティスで「見た目」を変える

整体でアライメントを整えた後は、正しい姿勢を支える筋肉を再教育することが重要です。
そこで効果的なのが、理学療法士が行うピラティスや運動療法です。


▫️ 体幹の安定化

腹横筋・多裂筋・骨盤底筋を中心とした“インナーユニット”の活性化。
→ 体幹が安定し、自然と姿勢が整う。

▫️ 胸郭と呼吸の改善

胸郭の動きを取り戻すことで、肋骨の位置が整い、肩のライン・ウエストラインが変わります。

▫️ 股関節・肩甲骨の協調運動

股関節から動ける体に戻すことで、太もも・お尻のラインが引き締まる。

理学療法士が監修するピラティスは、筋肥大ではなくアライメントと筋張力の再教育を目的とするため、安全で美しい体型変化が得られます。


自宅でできる姿勢・体型改善セルフケア

産後整体を受けながら、以下の簡単なセルフケアを取り入れるとさらに効果的です。

  • 壁立ちエクササイズ:頭・背中・骨盤を壁に軽くつけ、正しい姿勢を覚える
  • 骨盤前後傾運動:骨盤の可動性を回復させ、反り腰・猫背の両方を防ぐ
  • 呼吸エクササイズ:仰向けで肋骨を広げるように呼吸し、胸郭の動きを促す
  • 股関節主導のしゃがみ練習:膝に負担をかけず、姿勢筋を使う習慣をつける

※痛みや違和感がある場合は無理に行わず、専門家に相談しましょう。


よくある質問(Q&A)

Q1. 産後どのくらいで整体を受けられますか?

A. 体調が安定していれば、産後1か月以降から可能です。帝王切開後もご相談ください。

Q2. 整体だけで体型は変わりますか?

A. 整体で姿勢を整えるだけでも一時的な変化は得られますが、持続的な改善には運動療法の併用が効果的です。

Q3. ピラティスはいつから始められますか?

A. 骨盤底筋の回復を確認後、産後2〜3か月以降から安全に始められます。

Q4. どれくらいで変化を実感できますか?

A. 姿勢の変化は1〜2回、体型ラインの変化は2〜3か月で実感される方が多いです。


まとめ|体型も姿勢も“骨盤から全身へ”整えることが大切

  • 姿勢と体型は切り離せない
  • 骨盤・胸郭・筋機能のバランスを整えることで根本改善が可能
  • 整体と運動を組み合わせることで「戻らない体」から「維持できる体」へ

「体重は戻ったのに、見た目が戻らない」
それは“筋と姿勢のバランス”が崩れているサインです。
理学療法士による整体と運動療法で、美しく・機能的に動ける体を一緒に取り戻しましょう。

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