産後の腰痛は「よくあること」ではない!|理学療法士が根本改善の道筋をわかりやすく解説

「出産したら腰が痛いのは当たり前」—そう思い込んでいませんか?
確かに、産後の腰痛は多くの方が経験する一般的な不調です。しかし、放置することで慢性化したり、育児や家事に支障が出てしまうケースも少なくありません。
この記事では、理学療法士の視点から「産後の腰痛の原因と改善法、そして再発予防まで」の流れをわかりやすく解説します。
なぜ産後は腰痛が長引きやすいのか
「そのうち治るだろう」と思っていた腰の痛みが、何ヶ月経っても続いている——。
産後の腰痛には、時間が経っても自然に治りにくい明確な理由があります。
- 出産によって骨盤帯が一時的に不安定になる
- 腹横筋・骨盤底筋といった体幹の支えが弱くなる
- 授乳・抱っこ・家事などによる不良姿勢の蓄積
これらが重なり合い、腰椎周囲の靭帯や筋肉、関節へのストレスが増え続けるのです。
単に「姿勢が悪い」だけではなく、体の構造的変化と動作パターンの変化が腰痛を長引かせる要因になっています。
骨盤のゆるみだけじゃない|産後腰痛の3大メカニズム
よく「骨盤が歪んでいるから腰が痛い」と言われますが、それは一部に過ぎません。
産後腰痛には、以下の3つの要因が複雑に絡み合っています。
- 骨盤帯の不安定性
→ 妊娠・出産によるリラキシンホルモンの影響で靭帯が緩み、骨盤の支持力が低下します。 - 体幹機能の低下
→ 腹横筋や骨盤底筋など、姿勢を支える筋群が一時的にうまく働かなくなります。 - 姿勢・動作の変化
→ 授乳・抱っこ・家事の姿勢が続くことで、腰部への負担が集中します。
この状態を放置すると、腰椎や仙腸関節、筋膜などに慢性的な機械的ストレスが加わり、治りにくい腰痛へと進行してしまうのです。
「そのうち治る」は危険|放置が慢性化を招く理由
腰痛を我慢しながら育児を続けると、知らず知らずのうちに体が“痛みをかばう姿勢”を覚えてしまいます。
この代償動作は、筋のアンバランスと関節への負担増を招き、痛みを慢性化させます。
- 代償動作 → 特定部位に負担が集中
- 緊張や炎症 → 神経が過敏化し痛みが増幅
- 痛みが習慣化 → 姿勢が固定される
痛みが長引くほど、回復には時間がかかります。早期の正確な介入が何よりも重要です。
理学療法士による整体での改善ステップ
当院では「とりあえずほぐす」「バキバキ矯正する」といった施術ではなく、医学的根拠に基づいた整体で腰痛の原因にアプローチします。
▫️ステップ①:評価と原因特定
姿勢・歩行・関節可動性・筋機能を丁寧にチェック。痛みの“本当の原因”を明確にします。
▫️ステップ②:骨盤・腰椎のバランス調整
靭帯や関節包、筋膜への安全な徒手療法で、余計な負担を取り除きます。
▫️ステップ③:姿勢と動作の再教育
痛みを起こさない体の使い方を覚えることで、再発を防ぐ基礎を作ります。
👉 この3ステップを踏むことで、「一時的に楽になる」ではなく、「根本から回復する体」を目指します。
痛みを繰り返さないために|ピラティスと運動療法の重要性
整体だけでは、せっかく整えた骨盤や姿勢も元に戻ってしまうことがあります。
そのため、当院ではピラティスとパーソナルトレーニングを組み合わせています。
- 骨盤底筋・腹横筋など、体幹を安定させる筋群を再教育
- 呼吸と姿勢のコントロールを学び、安定した身体機能を獲得
- トレーニングで動作のクセを修正し、再発を予防
理学療法士が担当するため、「運動が苦手」「痛みがある」という方も安全に行えます。
毎日のちょっとした意識で変わる|日常生活とセルフケア
腰痛の改善と再発予防には、普段の姿勢・動作習慣が大きく影響します。
▫️意識してほしいポイント
- しゃがむ時は腰からではなく股関節からしゃがむ
- 床に座るのではなく、骨盤が立ちやすい椅子・クッションを活用
- 前胸部のストレッチ(壁などを使って行う。画像は右側前胸部のストレッチ)

こうしたセルフケアを取り入れることで、整体の効果が長持ちし、回復スピードも高まります。
よくある質問(Q&A)
Q1. 産後いつから整体を受けられますか?
体調が安定していれば、産後1ヶ月以降から受けていただけます。帝王切開後も個別に対応が可能ですので、ご安心ください。
Q2. 整体だけで治りますか?
多くの方は整体と軽い運動で改善が見込めます。再発を防ぐためには、ピラティスなどの安定性トレーニングの併用が効果的です。
Q3. 骨盤ベルトは必要ですか?
一時的なサポートとしては有効ですが、長期間の使用は筋力低下につながる可能性があります。正しい使い方が重要です。
Q4. 再発の可能性はありますか?
不良姿勢や筋機能の低下を放置したままでは再発するリスクがありますが、正しい姿勢と運動を習慣化することで再発リスクは大幅に下がります。
🟡まとめ|腰痛は“我慢”ではなく“根本改善”へ
- 産後の腰痛は「よくあること」ではなく、明確な原因があります。
- 放置すると慢性化・再発リスクが高まり、回復に時間がかかります。
- 理学療法士による整体と運動療法を組み合わせることで、根本改善と再発予防が可能です。
「時間が経てば治る」ではなく、「今」ケアすることが最も確実な改善への近道です。
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