みなさんは普段の生活で1日どのくらい座っているでしょうか?
自分の場合だと、基本仕事は立ち作業なので、日中に座っている時間は少ないのですが、仕事終わりに家に帰ってくると、パソコンを使っていろいろと作業をしていることが多いので、1日に4-5時間くらいは座っていると思います。
今回は、座りにすぎによる体への弊害と、その予防策に関してご紹介していきます!
座位時間の現状
近年、日本人の「座りすぎ」に関してはさまざまな、研究報告がなされており、少し古いですが、2011年に報告されたオーストラリアのBaumanら¹の研究では、日本の成人が平日に座っている時間は、世界の他国と比較してかなり長いことが報告されています。(下図 1)
そして、この「座りすぎ」は、健康にも弊害を与えることが明らかとなっており、2021年に小山らが報告した研究²では、日中の座位時間が”2時間”増えるごとに、死亡リスクが約15%上昇することを明らかにしています。
さらに、生活習慣病と呼ばれる高血圧、糖尿病、高脂血症を有する患者では、そのリスクはさらに高くなり、糖尿病を有する方では、2時間ごとに27%も死亡率が高くなると報告しています。
このことからも、生活習慣病の罹患率が増えている我が国において、この「座りすぎ」は早急に解決しなければならない課題であると考えられます。
では、具体的に「座りすぎ」とはどのくらい座ることを指すのでしょうか。
様々な研究を参考にすると、「8時間」がおおよその目安になると言われています。
海外の研究にはなりますが、1日の座位時間が4-8時間の人に比べて、8-11時間の人は死亡率が高く、8時間以上座位をとると、15%程度死亡率が高くなることが報告されています。
ですので、まずはこの8時間という数字を意識してみましょう!
ただし、ここまで読んできて
「でも、職務内容上、座っている時間を減らすのは難しい・・・」
という方もいるかもしれません。
そんな方やってほしい、日常における工夫が、”連続的に座り続けることを避ける”ことです。
そもそも、「座りすぎ」が及ぼす弊害は、長時間座ることで足の筋肉が動かず、筋肉の代謝や血行動態が悪くなることにあります。
足の筋肉、特に下腿三頭筋と呼ばれる筋肉は、通称「第二の心臓」と呼ばれており、全身の血流循環を一定に維持するために重要な器官となります。
ですので、この「第二の心臓」が長時間機能しないと、全身の血行動態が不良になってしまう可能性があるのです💦
オススメのエクササイズ
足の筋肉を動かす頻度に関しては、様々な意見がございますが海外での研究⁴では、大体”30-60分”に1回は筋肉を動かすように推奨しています。
これにより、体の代謝機能の改善や肥満予防に寄与することも明らかとなっているようです。
ちなみに、筋肉を動かす方法はさまざまです。
立ち上がって歩くのでも良いですし、座ったまま足首の運動を行うのもよいです。また、その場で立ち座りを行っても良いです!
また、単純な足首の運動に加えて、ひねりの運動を加えることで、脚の血流を促進する効果が強くなることが過去に報告されているため、ぜひ足首の運動を行う際は、ひねりの運動も入れてみましょう!
まとめ
以上で今回の記事はおしまいになります。
今後、在宅ワークなどが増えていく世の中で、「座りすぎ」の問題はより顕著化していくことが予測されます。
自分の健康を守りながら、健康な生活を送っていきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
参考文献
1) Bauman A, Ainsworth BE, et al ; IPS Group. Thedescriptive epidemiology of sitting. A 20-countrycomparison using the International PhysicalActivity Questionnaire (IPAQ). Am J Prev Med. 2011; 41: 228-235
2) Teruhide K , Etsuko O , et al. Effect of Underlying Cardiometabolic Diseases on the Association Between Sedentary Time and All-Cause Mortality in a Large Japanese Population: A Cohort Analysis Based on the J-MICC Study. J Am Heart Assoc. 2021; 10: e018293
3) van der Ploeg HP, Chey T, et al. Sitting time and all-cause mortality risk in 222497 Australian adults. Arch Intern Med. 2012; 172 :494-500
4) Healy GN, Dunstan DW, et al. Breaks in sedentary time:beneficial associations with metabolic risk. DiabetesCare. 2008; 31: 661-666
5) Sochart DH, Hardinge K. The relationship of foot and ankle movements to venous return in the lower limb. Bone Joint Surg Br. 1999; 81: 700-704.
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