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体が柔らかければ怪我はしない? 柔軟性と身体操作について

今回は、体が硬くなる原因柔軟性×怪我の関係に関して記事を書いていこうと思います!

 

みなさん最近はストレッチをしていますか?
ヒトの体には260か所ほどの関節があります( 個人差はあります )

この各関節の可動域がヒトの柔軟性に関与します。

ストレッチは体の柔軟性を保つために有用な手段であり、スポーツ選手など日ごろから体を動かす人たちは、毎日のボディーケアなどで行っています

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一般的に、体の柔軟性を高めることは怪我の予防に重要であると考えられていますが、関節可動域の個人差はどうして生じるのでしょうか


関節可動域とは

関節可動域に影響を与える要因としては、①関節周囲の軟部組織(皮膚、筋肉、筋膜、靱帯)の伸張性低下②関節そのものの変性・偏移に分けられます。その他にも、痛みによる制限等もありますが今回は除きます。

①関節周囲の軟部組織の伸張性低下

関節周囲の軟部組織の伸張性が低下して、関節が動きにくくなった状態を”関節拘縮”と呼びます

そして、関節拘縮を引き起こす要因には以下が挙げられます。

  • 病気に伴う長期の不動

  • 加齢に伴う活動性の低下

  • 脳卒中による筋緊張以上

  • 皮膚組織の変性(火傷など)

  • 関節周囲の浮腫み

これらを要因とした、関節周囲の軟部組織の変性により関節は徐々に動きにくくなっていくのです。

②関節そのものの変性・偏移

関節そのものが変性する要因としては、強直性脊椎炎や関節リウマチによる関節面の炎症・癒着などが挙げられ、関節を構成する骨そのものが要因で、関節が動きにくくなった状態を”強直( きょうちょく )”と呼びます.

また、関節が偏移する要因としては、脱臼や骨折による偏移が挙げられます

関節拘縮と強直は共に関節可動域制限を引き起こしますが、関節拘縮に関しては、適切なケアを行えば改善するケースが多くあります。

そして、関節のケアに有効なのがストレッチなのです

それでは、次からは体の柔らかさと怪我の関係性についてまとめていきたいと思います。

体の柔らかさと怪我の関係

柔軟性と怪我の関係に関しては、昔から多くの研究がなされてきており、一般的に障害予防には十分な柔軟性を確保することが重要であると考えられています。

これまで、行われた下肢の柔軟性に関する研究のレビュー¹でも、柔軟性は障害発生のリスク因子であったと報告されています。

では、運動をする前には十分にストレッチを行って体の柔軟性を高めておいた方が、怪我をしにくくなるのでしょうか?

ここに関しては一定の見解が得られていないのが現状です。

これまで行われてきた研究の一部では、運動前にストレッチを行うことは、運動中の障害予防に寄与しなかったと報告しています²。

一方、障害予防にストレッチが有効であったとの報告もいくつかあります³ ⁴

では、これらの研究ではどうして研究の結果に差が生じてしまったのでしょうか。

その要因としては、ストレッチの方法や時間など様々な点で相違が生じていたからであると考えられます。(最適なストレッチ時間や方法に関する詳細は次回以降の記事で書いていこうと思います)

そして、このストレッチの効果を障害予防に最大に生かすために必要な能力こそが身体操作”であると考えております。

身体操作とは

身体操作とは「自分自身の身体を自在に操ること」をいい、世間一般でいう「運動神経が良い」というのは身体操作能力が高いことと、同様の意味合いをなしていると思います。

ヒトは手足を動かすときに、手足の位置を目で確認しなくても、大体どの位置に今手足があって、どのくらい曲がっているかなどを把握することができます。

これは、筋・腱・関節・靭帯における刺激が脳に伝わることで、体の位置や、運動の方向などが知覚されることにより可能となっており、これを”深部感覚”といいます。

しかし、ストレッチなどで関節周囲の軟部組織の伸張性が高まり、関節可動域が広がると、ヒトの身体は今まで経験のしたことのない範囲において関節の運動をコントロールすることが必要となってしまいます。

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そうすると、拡大した角度の範囲における関節運動は、十分な制御ができずに、運動の不安定性を引き起こす要因となってしまいます。

そして、この運動の不安定性こそが、怪我の要因となるのです。

理想的な柔軟性の高め方

これまでまとめてきた通り、柔軟性が高いことは最良なパフォーマンスを発揮する上で重要でありますが、その関節可動域でしっかり身体操作を行えることが障害予防には大切になります。

ですので、関節可動域を拡大する目的でストレッチを行う際は、必ず拡大した最大可動域で自動運動( 自力での運動 )を行い、自らの身体をコントロールできるようにしておくことが大事なのです。

また、自らの体の柔らかさ( 関節弛緩性 )を評価する上では、東大式全身弛緩性テストが用いられることが多いですので、みなさんもぜひ試しにテストしてみてください。そして、もし、弛緩性が強い場合は、強い負荷の運動を行う前には必ず、可動域の最大範囲で軽負荷のプレトレーニングを行うようにしましょう!

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                                                                              引用元:@yujikawa32

 

まとめ

怪我の予防や運動パフォーマンスの改善には、身体操作や柔軟性の向上が必要になることが多くあります。
そして、この2つを改善するのに有効なエクササイズとして当院ではパーソナルピラティスの実施をお勧めしています。
体の使い方が良くわからない方や柔軟性を向上したい方は、是非パーソナルピラティスをご体験ください!
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。

引用文献

1)Risk assessment and injury prevention. Ann Acad Med Singapore 2008;37:341− 346

2) The effectiveness of exercise interventions to prevent sports injuries: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Br J Sports Med, 2014; 48(11): 871-877.

3) McHugh MP and Cosgrave CH.: To stretch or not to stretch: the role of stretching in injury prevention and performance. Scand J Med Sci Sports, 2010; 20(2): 169-181.

4) Hamstring exercises for track and field athletes: injury and exercise biomechanics, and possible implications for exercise selection and primary prevention. Br J Sports Med. 2012 Sep;46(12):846-51.

参考
身体の柔らかさはスポーツ障害・外傷の発生に どう影響するか?
理学療法科学 37(1):123–128, 2022 https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/37/1/37_123/_pdf/-char/ja

    佐々木拓良

    佐々木拓良

    <取得資格> 理学療法士 認定理学療法士(糖尿病/循環器) 大学院博士課程卒業 心臓リハビリテーション指導士 ピラティスインストラクター

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